オバマ大統領に学ぶリーダーシップ
アメリカ合衆国第44代大統領のバラク・オバマ氏。
アフリカ系史上3人目の上院議員であり、初の大統領候補、
そして初のアメリカ合衆国大統領です。
オバマ大統領といえば、人々の心をつかむ「演説」が有名ですが、
2008年に行われた大統領選挙の時に使われた「CHANGE」という
キャッチフレーズはアメリカだけでなく世界中の人の心をつかみました。
「共感」を呼び起こすオバマ大統領の演説
オバマ大統領が人々の心をつかみ、強大なリーダーシップを発揮できるのはなぜか。
その答えは、オバマ大統領が民衆に対して「共感」を呼び起こすからにほかなりません。
政治家というのは国民の代表であり、国家の反映とともに国民が安心し、
快適に暮らせる国を作るための仕事を担う人たちです。
そのトップに立つ人は、国民の総意を常に理解して反映させるとともに、
長期的に国を発展させるために国民から理解を得なければなりません。
アメリカ合衆国のトップである大統領は、3億人もの多種多様な人々の声に耳を傾け、
その期待を一身に背負い、率いていく強大なリーダーシップが求められます。
オバマ大統領は自身の生い立ちからも、多くの人の共感をあつめました。
父親はケニア出身のイスラム教徒、母親はカンザス州出身の白人。
また、両親が離婚後、母親がインドネシア人と再婚して、一時期ジャカルタに住んだこともありました。
人種や宗教など、複雑な環境で育ったからこそ、
人種や宗教にとらわれない素晴らしい演説が行われました。
「リベラルのアメリカも保守のアメリカもなく、ただ“アメリカ合衆国”があるだけだ。ブラックのアメリカもホワイトのアメリカもラティーノのアメリカもエイジアンのアメリカもなく、ただ“アメリカ合衆国”があるだけだ」
「イラク戦争に反対した愛国者も、支持した愛国者も、みな同じアメリカに忠誠を誓う“アメリカ人”なのだ」
オバマ大統領の演説は、アメリカで暮らすあらゆる人々の共感を得て、
第44代アメリカ合衆国大統領に選出されました。
国民の目線に立ちことと大統領の使命を果たすことで共感を得る
国のリーダーとして国民からの支持を得るためには、
国民の目線に立ち、国民が望んでいるものは何か深く理解し、
実現に向けて具体的な政策をわかりやすく伝えることが重要です。
そしてリーダーとして、将来国はどのように発展すべきか、
安心して暮らしていける明確なビジョンを伝える必要があります。
そのためには、信念や価値観から、日常の生活環境にいたるまで、
一貫性をもたせなければなりません。
また、国民は一人ひとり、心に伝わる伝え方が異なります。
政策方針を大きく伝えた方が伝わる人、政策について詳細に述べた方が伝わる人など様々です。
その課題もオバマ大統領は、「CHANGE」という一言に集約させることで、
国民一人一人が「変化を望んでいる」ということに意識を集中させることに成功しました。
国民が望んでいることを、象徴する一つのフレーズにまとめることで、
国民の共感を得ることに成功した大きな例と言えます。
「国民が望んでいることを政策にすればいい」とか、
「演説は短いフレーズを使えばいい」といった、小手先のテクニックではなく、
理念や価値観に基づいて、リーダーとしてどのようになすべきか、
また、選挙演説という場において、どのように伝えれば良いか、ということを十分に踏まえて、
言葉を選ばなければなりません。
理念や価値観から行動に至るまで一貫性を持たせること、
相手の立場に立って理解すること、進む方向や達成すべきビジョンを明確にすること。
そして、状況にあわせて相手にきちんと伝えるために、
どのように伝えればよいか、しっかりと準備すること。
このようなごくあたり前に思えることを積み重ねて行うことが
アメリカ大統領のトップという巨大なリーダーシップを発揮させる立場においても
活用されているのです。
偉人・歴史から学ぶリーダーシップ