相手の立場に立てるコミュニケーション能力
「リーダーシップ」を持っている人の5大原則として、
まず、「相手の立場に立って物事を考えることができる」
ということが挙げられます。
組織というのは自分一人ではなく、
複数人のスタッフがいることによって成立します。
全員が同じ価値観を共有し、同じ能力を持ち、
同じ方向に進んで行けるのであれば、何事もスムーズに進められますが、
組織にいるメンバーは一人ひとり役職や持っている能力、
仕事に対する意気込みなど、立場がそれぞれ異なります。
相手の立場に立って物事を考え、
コミュニケーションをとっていくことが
信頼関係を構築する上で、重要となります。
自分と正反対の意見は受け入れにくい
「『相手の立場に立って考える』ことが重要だということはわかるが、
なかなか上手くできない」ということをよく耳にします。
例えば、売上目標を設定し、達成するために進んでいきたい気持ちが
強いリーダーは、業務を進める中で想定されるリスクを回避したいと
考えるスタッフとは意見がぶつかり合いやすくなります。
目標を設定して突き進むこと、業務を進める中でリスクを回避すること、
どちらも大事なことなのですが、自分の意見が合っていると考えると、
正反対に位置する相手の意見は聞き入れにくくなります。
この状態で相手と話し合っても、意見がぶつかり合って、
なかなか理解することができません。
実際に相手になりきってみる
このような時、実際に相手の立場に立って物事を考える方法として、
NLPの「ポジションチェンジ」というものがあります。
「ポジションチェンジ」は、実際に相手と会話する時と同じ状況を作り、
一人二役を演じるものです。
まず、実際に相手がいると想定して語りかけ、
話が終わったら、自分と相手の中間に立って、
自分と相手の関係がどのように見えるかイメージします。
この時、自分と相手以外の第三者から、自分がどのように見えているか、
冷静に見つめることができます。
その後、相手がいる位置に移動し、
座り方や姿勢、仕草をそっくりそのままマネするように
実際に相手になりきって、先ほど語った自分の言葉を反すうして聞きます。
実際に「相手になりきる」ことで、相手がどのように物事を考えるか、
そして、自分の言葉がどのように伝わるかを実感することができ、
より深く「相手の立場に立って考える」ことができるようになります。
頭の中だけで、相手の立場に立って考えようとしても、
自分の中にある価値観が優先されてしまい、
なかなか相手の考えが理解しにくくなります。
身体全体を使ってシミュレーションし、
実際に相手の立場に立ってみることで、わかることは多くあります。
自分と異なる意見をもつメンバーに対して、
相手の立場に立って考えられるようになることで、
相手からも「理解してもらえる」という信頼を得やすくなり、
リーダーシップの能力が高められます。
リーダーシップの5大要素