リーダーシップとは?
「リーダーシップ」とはどのようなものか?と問われた時、
あなたはどう答えますか?
「チームをまとめてみんなを引っ張る能力」
「チーム内で率先して行動する能力」
「チーム内の意見をまとめ、的確な判断・指示を下す能力」
「経験豊富で人格があり、部下の模範となるように示す能力」
「メンバーの業務を調整し、個々の能力を最大限に発揮させる能力」
どの回答にも納得できます。
ゆえに「リーダーシップ」というものは一言で説明しづらいものであるため、
多くの人が「どのようにしたらリーダーシップを身につけ、
発揮できるのだろうか」と悩まれています。
リーダーシップに対する誤解
「リーダーシップ」について明確な定義というものがないのですが、
一方で、以下のような「リーダーシップ」に対する誤解があります。
- 「リーダーシップ」は才能の一つであり、限られた人のみに備わっている能力である
- 「リーダーシップ」は会社のトップや、チームのリーダーなど
組織のトップに立つ者のみが持っていればよい
かのピーター・ドラッカーは、著書『現代の経営』の中で
「リーダーシップ」について以下のように記しています。
「リーダーシップとは人を引きつけることではない。
そのようなものは煽動的資質にすぎない。仲間をつくり、
人に影響を与えることでもない。そのようなものはセールスマンシップにすぎない」
一昔前まで「リーダーシップ」はカリスマ性や人を引き付ける能力などをもった
一部の人に限られた能力であり、才能の一種のように思われていました。
しかし現代ではその考えが改められつつあり、「リーダーシップ」は
誰でも身につけ、発揮できる能力であると認識されつつあります。
現代に名を残した偉大なる経営者も、最初からリーダーシップを持っていたのではなく、
生まれ育った環境、人との関わり、仕事などでの失敗と成功など、
多くの経験を積む中でリーダーシップを身につけ、発揮してきました。
またドラッカーは『プロフェッショナルの条件』の中で、
以下のようにも記しています。
「リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、
それを目に見える形で明確に確立することである。
リーダーとは目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である」
「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである」
組織のトップに立つリーダーが「リーダーシップ」を身につけることは、
必要不可欠です。リーダーシップに欠けるトップに、つき従うものはいないでしょう。
しかし、リーダー以外の人がリーダーシップを身につけないでもよいかというと、
そうではありません。
チーム内における自分の責任を明確にし、業務を率先してこなし、
時に優先順位を明確にしたり、的確な判断を得るために指示を仰ぎ、
他のメンバーと協力して、結果を作り上げていくことは、
全員が行うべきことです。
このような経験の一つ一つが「リーダーシップ」を身につける糧となり、
自分に部下ができた時や、自分がチームや組織のトップに立って、
業務を進めていく時に、発揮させる能力となります。
リーダーの共通点
あらゆるリーダーが存在しますが、一つ共通しているのは、
「リーダーシップのある人は、メンバーから『信頼されている』」という点です。
メンバーからの信頼が得られていないと、率先して行動しても他のメンバーはついてきませんし、
判断や指示を下してもその通りに動いてくれません。また、他のメンバーから
モデルとしても見られません。
自分自身の仕事に率先して取り組むだけでなく、
他のメンバーとのコミュニケーションを大事にし、
「信頼を得る」ということが、「リーダーシップ」を身につけるために
必要不可欠な能力です。