三浦知良(カズ)選手に学ぶリーダーシップ
『フットボールサミット第4回 カズはなぜ愛されるのか?』
40歳を優に超えた今でも現役で活躍しているキング・カズこと三浦和良選手。
現役にこだわり、若い選手に交じってプレーしつづける姿だけでなく、
2011年3月に開催されたチャリティー試合でゴールを決めるなど、
ここ一番で大活躍する姿に、日本中が魅了されます。
そんな三浦選手ですが、華々しく活躍する一方、
悲劇のヒーローとしての一面もあります。
1994年のFIFAワールドカップ・アメリカ大会のアジア地区最終予選で
最後の最後でゴールを決められ本選出場を逃した「ドーハの悲劇」。
1998年のフランス大会での代表選考漏れ。
そして幾度もの戦力外通告、と困難な状況になりながらも、
それを乗り越え、現在もプレーし続けています。
批判を誇りに変える
三浦選手の精神力の強さは自分自身だけでなく、
他のプレーヤーにも大きな影響を与えています。
1998年にオリンピックの柔道で2度の金メダルを手にした谷亮子さんが、
プロ野球のイチロー選手と対談した際に、三浦選手から言われた言葉が
紹介されていました。
「成功した時にスポーツ紙の一面になるのは普通の選手。
失敗した時にスポーツ紙の一面になる選手は限られている。
一面で失敗を取り上げられ叩かれることに誇りを持てばいい」
また、サッカー日本代表がワールドカップ・フランス大会で、
3戦全敗となり帰国した際、城彰二選手に対しサポーターが水をかけ、
生卵をぶつけるという騒動がありました。
このことを聞いた三浦選手は、城選手に電話をかけ、こう話したそうです。
「水をかけられたということは
お前がみんなにエースと認められたということなんだぞ。
俺だってブラジルでファンにドラム缶を投げられたんだぜ。
挫けるなよ。お前はまだ先を目指すべき男だよ」
活躍を期待された選手が結果を残せず、マスコミから叩かれたり、
ファンから非難を浴び、どうしても落ち込んでしまいます。
しかし、三浦選手はそのような状況を良い方に捉えるアドバイスを
二人に伝えられています。
NLPにも状況の見方を変えることで意味を変えて捉える、
「リフレーミング」というワークがあります。
一見、悪い状況にとらえられるものに対して、
見る角度や枠組みを変えることで、プラスの意味があることを知ります。
そして、プラスの意味に変えてくみ取り、自分自身の反応や行動を
変えるというものです。
物事の見る角度や枠組みを変えて、プラスの側面を見つける
会社においても失敗してしまったり、うまくいかずに困難な状況に
直面してしまうことがあります。
そのような時に、「失敗を次の成功の糧とすればいい」と考えたり、
「後輩が同じような状況に直面した時に、的確なアドバイスができる」
と考えたりするのです。
物事の見る角度や枠組みを変えて、プラスの側面を見つける。
リフレーミングは常に前進・改善が求められるリーダーにとって、
メンバーを勇気づけることができる能力です。
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