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イチロー選手に学ぶリーダーシップ

『イチロー 262のメッセージ』
『イチロー 262のメッセージ』

 
日本プロ野球界初のシーズン200本安打達成を始め、
日本での7年連続首位打者、メジャーリーグ歴代最高となる
シーズン262安打の樹立、10年連続シーズン200安打達成など、
数々の記録を打ち立ててきた日本プロ野球界史上最高のバッター・イチロー選手。

イチロー選手のプレーに対するこだわり、研究、徹底ぶりも素晴らしく、
多くの選手が尊敬し、見習っています。

また野球世界一を決める「ワールド・ベースボール・クラシック」において、
第1回は打率.364の大活躍、第2回は不振にあえいだものの決勝の
韓国戦において、延長10回に決勝の2点タイムリーを含む6打数4安打と
日本代表チームを優勝に導く活躍を見せてくれました。

「チームにリーダーはいない方がいい」

イチロー選手のリーダーシップについて、
第2回WBCで優勝が決まった翌日、以下のように語られています。

 「よくチームにはリーダーが必要だとか、安易な発想があるけれど、
  今回のチーム(日本代表)に全くそんなものは必要なかった。
  それぞれが、向上心を持って、何かを得ようとする気持ちがあれば、
  そういった形は全くいらない。むしろ、ない方がいい」

 
プロ野球で活躍する選手たちによる日本代表チームにおいて、
誰か一人がチームをまとめるのではなく、一人ひとりが気持ちを持って、
同じ目標に進めば「リーダーはいらない」と語られています。

これはつまり、一人ひとりがリーダーシップをもって取り組む、
ということに他なりません。

 
また、イチロー選手は、新人にどのようなアドバイスをするのか、
という質問に対して、以下のように答えています。

 「聞かれたことに対して何か答えることはあっても、
  僕から何か言うことはないですね」

これも「それぞれが、向上心を持って、何かを得ようする」という
プロの姿勢が理念としてあるからこそです。

他の選手のことも細かく観察しているからこそ、的確なアドバイスが与えられる

史上最高のバッターであるイチロー選手に教えを請う選手は多くいます。

かつてシアトル・マリナーズに在籍していた城島健司捕手も、
打撃に困った時に、イチロー選手に助言を求めた所、
ズバッと的を射たアドバイスをもらったそうです。

 「イチローさんは、本当にこと細かく分かってみてます。
  イチローさんは自分からは『ジョー、こうなってるよ』とは
  絶対いわないんですよ。でも求めれば『こうなってるよ』って
  冷静に判断して、指摘してくれる」

 
イチロー選手は自分自身の技術向上だけでなく、
他の選手のことも細かく観察し、アドバイスを求められたら、
的確に指摘されます。

リーダーとして的確にアドバイスするためには、
単に自分の経験やノウハウを与えるのではなく、
相手のことをしっかり観察して、その人にあったアドバイスを
与える必要があります。

 
NLPでは「キャリブレーション」という、
相手の言葉以外の情報である姿勢や動き、表情、声のトーンなどを観察し、
相手がどのような心理状態にあるか見分けるものがあります。

上手くいっている状態と、上手くいっていない状態を比較して、
その人の行動や表情、話すときの声のトーンなどを観察し、
どこが上手くいっていないかを見極めます。

そして、助言を求められた時に、
上手くいっている時の状態と、上手くいっていない状態の差を指摘して、
相手に気づかせてあげることができ、良い状態に導くことができます。

 
リーダーとして的確な指示を与えるためには、
自分自身の能力向上だけでなく、他のメンバーのことも細かく観察し、
相手が困っている時にきちんとアドバイスができるようにしておくことも重要です。

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